川辺で見たもの

小さな川の岸辺にいる。川の幅は1メートルもないぐらいであろうか?川の流れる平面と、地面はほとんど同一平面状にあり、こちらから見ると川と岸はほとんど一体化しているように見える。もしかしたら川ではなく人工的な水路かもしれない。

川の岸に沿って、一列に「囲い」がならべてある。囲いは2階建てベッドなどを想像してもらうとよい。2階建てベッドは人が落ちないように柵をつけてあるが、それと同じように一定間隔で低い木の縦棒が立てられており、その上側が横棒で固定されている。囲いはベッドと同じく、縦が長く横が短い長方形だが、その短い「横」の部分が川岸に沿う形で、20個ぐらいが整然と並んでいる。

囲いの中には一人ずつ人間が入っている。年齢、性別はばらばらである。囲いの近くには、たくさんの人が集まっている。囲いの人とその近くにいる人は家族であろうか?

———————–

そこは死刑場、あるいは自殺場であった。なんと呼んだらいいかわからないから、あえて特定はしない。

囲いの中にいる人にビーカーに入った液体が渡される。液体は白く、大き目のビーカーの3分の1ぐらいまで注いである。人たちは覚悟を決めたかのようにいっせいに液体を飲みだす。

僕は囲いが良く見える箇所にいる。

あるメガネをかけた中年の男性。緑のジャンバーを着ている。メガネは黒縁の大き目のものである。顔は日に焼けている。農作業か建設業でもやっていたのだろうか。顔にはしみ(そばかす?)がいくつか見える。

飲んだ。

すぐに異変が現れる。顔が苦しそうだ。早い動きで川の方に頭を向けて寝転がった。頭の近くには目覚まし時計が置いてある。彼は現在の時間をしっかりとした口調で読み上げた。そして横向きに頭を寝かせ、自然な状態で動かなくなった。眠りに入ったかのようである。

もう一人の小柄な男性。さっきの中年男性よりさらに年をとっている。髪はほとんど白い。

囲いの中で膝立ちした状態で一気に飲み干した。

若干の間、静かで自然な状態。そのまま膝立ちしている。手は膝のところに添えられている。しかし、すぐに苦しみの表情が顔に表れだした。目をひん剥き、囲いの柵に手をかけている。さらに苦しみが強くなる。一時とも同じ姿勢ではいられないようだ。手や腕、顔をあわただしく動かす。囲いに入っている他の人で動いている人はもういない。粘っている。

一瞬動きが止まる。まだ膝立ちの状態だ。顔に表情がなくなってきた。目は精気がないものの、開いている。

囲いの周りの人たちにも力が入る。応援しているかのようだ。歯を食いしばり、拳骨を握り締めたその中の一人が強い声で膝立ちしている初老に向かってこう言った。

「・・・さん!最期まで!しっかり!」

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