コンピュータ将棋が名人/竜王と戦うのはいつになる?

前回のポストで、電王戦設立に関して関係者の功績を讃えたが、その後、米長会長がコンピュータ将棋 私の勉強法というコラムにて以下のような言及をしていることを知った。

電王戦は団体五番勝負(2012.1.5記)
 コンピュータVSプロ集団の対決は五番勝負です。とりあえず5年間の勝負とする。これが暫定的に決まったことです。
 第一回はボンクラーズ対米長永世棋聖。去年5月のコンピュータ将棋世界選手権優勝者がボンクラーズです。対する米長永世棋聖は主催者側の希望に応えたものです。
 第二回はボンクラーズを除くコンピュータチームを日本コンピュータ将棋協会(CSA)が選びます。プロ側は谷川浩司専務を委員長とした委員会で、対戦する棋士を決めます。あるいはファン投票にする等の方法を採用するかもしれません。
 第一回は今年1月14日です。
 第二回は来年中のどこかで行います。一年一局の長丁場の五番勝負になります。
 以後、毎年行いますが、コンピュータ側もプロ集団の方も、一度出場した者は二回対局出来ないルールです。第二回のプロ側は船江恒平四段に決定しました。詳細はこちら。
 5対5の団体戦で、いわばサッカーのPK戦。6年目以降については、その時話し合いましょうということです。

この文章から大胆に推測してみると、5年間は少なくとも船江四段をはじめとする若手とコンピュータを対戦させようというのが基本方針のように見える。裏を返すと、トップレベルのいわゆるタイトルホルダーとの対戦はあまり期待できなそうだ。

コンピュータ将棋の開発者やファンの多くは、名人や竜王がコンピュータに対して投了の合図を出すその瞬間を夢に抱いていることと思われるが、しばらくの間それは実現しそうにないだろう。コンピュータがこの五番勝負で5連勝するなど、圧倒的な実力を見せ付ければトップレベルの棋士との対局の可能性が出てくるだろうが、船江四段のようなのりのりの若手棋士に対して勝ち続けることは現状相当厳しい。

それでは、コンピュータが名人や竜王と対戦できるのはいつになるだろう。たぶん将棋協会としても、負けたときのリスクが高すぎるのでできればやりたくないところなんじゃないか。タイトルホルダーをだすとしても、最上位の2つのタイトルではなく、それ以外のタイトルホルダーをぶつけて、一回でもコンピュータが負ければ、また出直して来なさい、といった感じで数年間遠のいてしまうことだろう。そうなると、人対コンピュータの頂上決戦は夢のまた夢である。

これでは面白くない。そこで、コンピュータ対名人/竜王戦実現に向けて、最短のシナリオを考えてみた。電王戦で負けた若手棋士が名人・竜王になって、コンピュータにリベンジする展開が一番可能性があるんじゃないだろうか?このシナリオであれば、双方にメリットが生じるし、話題性も高くなるだろう。まあ、いずれにしても人が負けたときのリスクが高いのは間違いないが・・・

となるとポイントは、プロ棋士の世界で世代交代が起こる必要がある。まあ、これはいずれはやってくる。現在の若手が羽生世代+渡辺を凌駕するようになるまでそんなに時間はかからないだろう。

船江四段は24歳である。将棋棋士の実力のピークは30歳~30代後半ぐらいか。タイトルホルダーの年齢を見ると、大概そのくらいだろうと推測できる。となると、この5年間はないとして、10年~20年後ぐらいにはコンピュータ対名人/竜王戦が実現する可能性がある、と大胆予測する。

ただし、大勝負実現の大前提として、コンピュータがもっと強くならなければならない。以前も指摘したが、コンピュータ将棋はボナンザメソッドから脱却しなければならないだろう。

 

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