電王戦ソフト開発者の指向についての分析

今回の電王戦をみて思ったのだが、開発者の目指しているベクトルが全く別向きですね。

ベクトルというのは、ソフト開発における態度、夢、勝ち負けのこだわりとかいろいろなものを含みます。今回のPVである電王戦への道も含めてすべて見てきた私の意見をちょっとまとめてみます。

平岡氏(Apery)
貸出反対派。勝負へのこだわりは強い。ソフトに対する思い入れが強く、開発者自身による投了を選択しないなど、求道精神は強い。巨勢さんの投了についても一定の理解を示している。一方、ソフトをオープンソース化するなど、意外な一面を見せる。

西海枝氏(Selene)
貸出については中立派。勝率にこだわらず、定跡をランダムに選択するなど、勝ち負けについてはそれほどこだわっておらず、達観している雰囲気。自らの興味、技術力の向上のためにソフトを開発。方向性としては磯崎氏に近い。

磯崎氏(やねうら王)
貸出賛成派。趣味でソフトを開発。1年で2週間しか時間をとらない。人間がいかに末永く楽しめるソフトを作るのか、ランダム性をいかに組み込み、ハメ手にはまらないようにするのかがこれからの研究課題。

山本氏(ponanza)
ソフトの強さに絶対の自信を持つ。昔は貸出否定派だったが、現在は容認派。羽生さん以外の人間との戦いには興味が無いようだ。「病的な負けず嫌い」

巨勢氏(AWAKE)
貸出については中立派。元奨励会員。人間の棋力の向上にいかにソフトが向上できるか、というところに強い執着心を持っており、純粋に正々堂々戦う将棋道を追求している。勝ち負けにはこだわっていない。

これを、勝利へのこだわりと求道精神という2つの軸で分類して図示すると以下のようになるかと思います。

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僕は、将棋界と格闘技界を対比することが多いんですが、かつて格闘技界がそうだったように、なんでもあり、バーリ・トゥードで単純に強いものが正義、という世界に一旦到達してしまうと、あとはベクトルの方向性の違いにより、ゆるやかに分岐が始まっていくものと見ています。

どちらかが生き残る、どちらかが死ぬという世界ではなく、レギュレーションによって明確化された線引の中で、両者がうまく共存する、双方の領域を脅かさない形で進化していくと思います。

私は、かつてのKー1やプライドのように、電王戦も縮小路線に向かう気がしています(建前上はFINALですが)。かつ、ガチではなく、どんどんエンタメ方向、お客さんに楽しんでもらう攻防が繰り広げられる方向性に向かうでしょう。

もちろん、ガチはガチで生き残ります。こちらは、COM VS COMの世界に道を切り開くしかないと思います。

もう少し考えがまとまったら、またブログ起こします。

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