「いつかはゆかし」
この名前を初めて見かけたのは、電車内の広告だったと思うが、今まで見た商品名、広告の中でインパクトが一番あった。
まずは、ネーミング。読み方がまずわからない。「イツカワ」なのか「イツカハ」なのか?
次に意味だ。日本語の古文っぽいが、ゆかしってなんだ?ちょっと意表を疲れた感じで、心のバランスが崩される。不安になるのだ。通常、ネーミングというのはわかりやすさを念頭において作られることが多いと思われるが、この乱れているようで整っている不思議な、ちょっとしたリリックとでもいうべき文学(あえてそう言うが)に日本語の奥深さと僕の日本人としての血流を再認識した。
あと、広告のデザインもインパクトがある。俳優の塚本高史氏を起用した薄いブルーを基調としたシンプルなデザインだが、これも心憎いほど心に響く。通常なら胡散臭い匂いのする投資の広告が塚本氏の清潔感により完全に中和されており、安心感を与えるものとなっている。
商品名により崩された心のバランスが、塚本氏により安定がもたらされている。何を言っているのかよくわからないが、本当にそう感じた。